ふと気づけば、仕事でも、勉強でも、「考える」というのは基本だが、「考えるコツ」というのは、学校でも学ばなかった気がする。
基本的にアイデアは、既にあるものや過去の知識を組み合わせることで生まれるものだと、よく言われる。
実際に浮かんだアイデアを後から振り返ってみると、以前見聞きしたことがベースになっていることが多い。それなら、何もないところから生み出そうと考えるのではなく、はじめから何かをベースにして考えるのも一つの手だろう。
そういう時に非常に役立つのが、「オズボーンのチェックリスト」である。
このリストは、要素の組み合わせ方の基本パターンを網羅したもので、考えるきっかけを与えてくれる。
このリストの問いかけに答えながら、ひたすら思いついたものをメモっておく。意味不明なアイデアになってしまうものもあるが、それでもメモに残しておく。すると、それをきっかけにした新しいアイデアが生まれてくることもある。
- 転用したら?
- 現在のままでの新しい使い道は?
- 応用したら?
- 似たものはないか? 真似はできないか?
- 変更したら?
- 意味、色、動きや臭い、形を変えたらどうなる?
- 拡大したら?
- 大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすとどうなる?
- 縮小したら?
- 小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にするとどうなる?
- 代用したら?
- 代わりになる人や物は? 材料、場所などを変えられないか?
- 置換したら?
- 入れ替えたら、順番を変えたらどうなる?
- 逆転したら?
- 逆さまにしたら? 上下左右・役割を反対にしたら?
- 結合したら?
- 合体、混ぜる、合わせたらどうなる?
アイデアを出すときには、評価せずにひたすら発散するのがコツである。
考えるためのツールは、これ以外にもたくさんある。ツールを紹介している書籍はたくさんあるが、中でも「考具」は、広い範囲をカバーしつつ、とても読みやすい本なのでおすすめする。
考具―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治
枠組みをつけることで、逆に発想が広がるというのは、なんとも面白いものである。